ドラム

この曲に関してはドラムって実はすることがほとんど無いと思いました。
それだけEZXのMetal Machineは完成されたライブラリなんだなと。
他のライブラリだと例えばキックのハイをあげたりスネアのアタックを後から弄ったりと
色々やることが多いのですが、この曲のサンプルに関しては
最初からその辺が完成に近かったので、
下手に弄らずそのまま鳴らしてバランスだけ整えてやればええやんと
色々いじり倒した後に思いました。(白目


やらなきゃいけないこととしては、リバーブ処理でしょうか。
スネアを明るめ、長めのプレートリバーブに送っているのですが、
曲の途中でセンド量を弄っています。
というのも、曲の前半部分は割りと編成がシンプルで
ウェット音が抜けて来るのに対し、
サビではかなりがっつり送ってやらないと広がり感が出なかったからです。
ちなみにa2cさんはディケイタイムの異なるリバーブ2系統立ち上げて、
送り量のバランスを変えていたそうです。流石。

バッキングギター

まず、録り音が結構ガリッとした印象だったので
ここから更に中域を削ることはせず、
寧ろ700Hzあたりをちょっと突いて肉づきを良くした記憶が。
録り音がもっと「コーン!」という感じであれば
このあたりの帯域は寧ろ切っていく部分ですし、
もこっとしていれば300Hzの上を削っていたと思います。
Axeの音は、ライブ向けだからなのかローがタイトなことが多いので
普段マイクやプラグインで音作りする時にがっつり潰す
100〜150Hzあたりはそれほど過激に処理しなくても大丈夫でした。


後はリードギターが乗ってきて編成が一番混み合った状態になるところで
喧嘩する帯域をちょいちょい削っていったり。
サビ的な部分では厚みというか周りの音を後ろから押し上げていく
デモンズウォール的なサウンドを意識しました。

いざDAWを起動

ここまで準備が整ったら、イメージを形にするためにいよいよDAWを起動します。
前準備なしにいきなりDAWを起動すると、完成形のイメージが無いので
収拾の付かないとっちらかったミックスになりがちです。


次回は、上記のポイントを実現するためにどんなミックスをしたかの解説をする…か、
ミックスに入る前の音作りの話をするかどっちがいいでしょうね。音作りかな。
根気が続くことを祈りつつまた後日お会いしましょう。

ギターが主役の座を手放す時

シナスタジアは基本的にはギター中心のインストですが、部分的に他の楽器に主役を譲ります。
ある時はピアノに、ある時はベースに、またある時はシタールに。
その中でも僕が注目したのは1分45秒あたりからのタッピングフレーズでした。
後でギターソロへと続いていくこのパートをミックスする上でどうすれば良いか、
考えた結果辿りついたのは全員主役の状態でした。
ギターもピアノもベースも後ろのシンセパッドも再度のコード弾きも
全員がそれぞれ主張しあっている状態を作ることで、
その後主役が一気にギターへと収束した時に、聴き手が抱く印象がガラッと変わるのです。
これもまた一つの抑揚だと思います。

シンセの扱い

シナスタジアはパートが結構多いので、それぞれにどんな役割をもたせるか
しっかりと意識する必要がありました。
目立たせたいのか引っ込めたいのか、上で響かせたいのか下で支えさせたいのか、
限られた余白の中で、それぞれが果たすべき役割を何となく妄想しておきます。
「よくわからないからハイパスしときました」みたいになるのは避けたいところです。